行政サービスの電子革命実現のためには、国・地方の行政機関の横断的・縦断的な情報伝達・処理を前提とすることから、既存の法制度を補い、必要な改正を行う必要がある。例えば、市区町村間のネットワークによる住所変更ワンストップ・サービスを実現するためには、国の行政機関及び都道府県への住民記録情報の提供について、現行の住民基本台帳法の改正が必要である。
個人の情報保護に関する条例等は必ずしも情報通信ネットワーク社会における住民記録情報の利用・管理を前提としていない。例えば、住民記録情報のネットワークによる市区町村間伝送・利用を推進する場合には、手続的な改正が必要になるし、地方公共団体間及び国・地方間の規定の内容の違いも問題となる。
地方公共団体における個人情報の保護条例の大半に設けられている、いわゆる、オンライン結合禁止条項は、元々、個人の権利・利益を守るためのものであるが、この条項によって、条例の趣旨とは関係なく、情報の内容の如何を問わず、オンライン結合を一切禁止してしまうことは情報通信ネットワークの普及に伴って実情に即さなくなっている。住所変更の市区町村間ネットワークによる処理や関係行政機関のワンストップ・サービスを実現する上でも、オンライン結合をこのように一律的に禁止することの是非が検討されなければならない。
さらに、住民票の写し等の自動交付機の設置場所を「管理の届く範囲内」と厳しく限定すると、事実上、時間外サービスや、より便利な場所への設置ができないこととなる。また、ノンストップ・サービスの提供を実現するための情報通信機器の運用についても、技術的には24時間無人、無停止運用が可能になっているが、従来の運用規定等では実行が困難である。このように、情報通信技術の発展の成果をフルに活用し、高度な行政サービスを実現するためには、従来の法令・通達等の見直しや改正が必要である。 |